読書記録 2022年12月

 今月はなかなか進まなかったのですが、先月から続いている近代日本文学の名作の読み直しを引き続き続けています。太宰の走れメロスはやはり力強かった。太平洋戦争に突入する制約を受ける時代背景のなか、発禁にならないように、でも自身の文学を表現すしていきたいという熱い情熱を感じた。他の作品での小説家の皮肉さとの対比は人間らしく、太宰という人間である作家の色を強く感じる作品集であった。

 

12月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:272
ナイス数:40

走れメロス (角川文庫)走れメロス  (角川文庫)
太宰の思考が小説に色濃く反映され、感覚が侵食されるように感じるほど、ニヒルで刺激的であった。走れメロスは、やはりよかった。単なる正義もの根性ものだけではない、人間の葛藤はこころに滲みた。戦中の制約はあっただろうが、ダメ人間と相関するような繊細さが裏側にあるように感じることができた。(感想

読了日:12月17日 著者:太宰 治

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