record-cross’s diary

感じるままに...

読書記録 2024年9月

 今月は合間の読書の時間を上手くとり、がっつりした本も多かったのですが読み進めることができました。歴史ものから科学ものなど広く読むことの大切さを実感しています。

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2024年8月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2680
ナイス数:231

PLUTO (2) 【豪華版】 (ビッグコミックススペシャル)PLUTO (2) 【豪華版】 ビッグコミックススペシャル

人間らしいロボット、アトムくんとウランちゃんの登場と、それを阻むような黒幕がちらほらと見え隠れしている。いつの時代も起こりそうで、固有名詞だけが変わった構図はなんともリアル感がある。ロボットだから感じ取れなかった感情が、仲間の喪失ややり遂げられなかった悲しいという情動を感じ取れるように、ロボットも進化しているのではないか、完璧なロボットとは ...いろいろ考えてしまいます。
読了日:08月31日 著者:浦沢 直樹


PLUTO 1 (1) 【豪華版】 ビッグコミックススペシャルPLUTO (1) 【豪華版】 ビッグコミックススペシャル 
ロボットが活躍する時代、人間はどのようにロボットと共存するのか、ある一つの手塚治虫的な世界を描いている。その中のロボットは人間よりも、よい人間らしさを備えていて、人間はというとロボットを下にみる服従的にしか、ロボットを見ることしかできない。このような矛盾が存在するストーリーのなかで、ロボットの理不尽な嘆きがより人間らしく響き、初巻から人間らしさを考えてしまう展開であった。
読了日:08月30日 著者:浦沢直樹×手塚治虫,長崎尚志プロデュース


鳥が人類を変えた: 世界の歴史をつくった10種類鳥が人類を変えた: 世界の歴史をつくった10種類
鳥が人類を変えたという少し大袈裟な本かと思うと、逆に人類がやらかしてしまった鳥たちへの懺悔のようなそんな気持ちにさせられてしまう。人類の近代史の中で、10種類の身近な鳥たちのそれぞれの独自な人類との関わりがなんともディープで読み耽ってしまった。近代の明らかな迫害はひどいとするだけでは正しくなく、現代も気候危機という形で同じようなことが行われていることを、意識して感じていることが必要なのであった。
読了日:08月27日 著者:スティーヴン・モス


野村再生工場 ――叱り方、褒め方、教え方 (角川oneテーマ21 A 86)野村再生工場 ――叱り方、褒め方、教え方 (角川oneテーマ21 A 86)
野球を組み立てる監督は、ゲームを組み立てるだけでなく、そこで動くプレイヤーの個性や性格も含めての人間的なやり取りが裏にあることが興味深かった。特になんとか弱いチームを強くしていく過程で必要なものを野村監督は多くを知り、実践してきていた。チームのために、各選手の得意さや特徴をつかみ、それぞれの境遇でベストを尽くすこと、それらを真摯に行い、人間的な大きさを持つことで、再生という言葉で示されている力を発揮出来なかった人間の本当の力を引き出すことができる良い組織を作り上げていた。
読了日:08月27日 著者:野村 克也


乾めんですぐにごはん乾めんですぐにごはん
麺類、特に普段使いの乾麺からちょっとしたバラエティーが入ってくる、毎日食べる麺好き感がよかった。高級なものや特別なもの、と言うわけでもなく、また、アイデアレシピとも少し違っていて、毎日食べても食べ飽きなさそうだったり、たまにはこんなもの食べてみたかったりするような、普段のご飯に満足感をもたらす何かがたくさん含まれているのは、麺好きな著者の感覚がたくさん含まれているからなのかもしれない。普段食べる麺類を普通に充分に楽しめることを教えてもらえた。
読了日:08月22日 著者:飛田 和緒


大阪偕星学園キムチ部 素人高校生が漬物で全国制覇した成長の記録大阪偕星学園キムチ部 素人高校生が漬物で全国制覇した成長の記録
キムチ部という、はじめは大人が作られた仕組みだったけれども、そこから自分の意味を持たせて短い時間で発展させていく力がよく伝わり、また、学生の成長物語になっていておもしろかった。はじめは受け身だったけれども、徐々に自分の考えと他の人の考えを融合していき、よいものを作り上げる過程がよかった。今はそのままでいいよ、後で必ずチャンスがやってくる、という部長の言葉からも今のやりきれないもやっとした気持ちを大切にしていく自然さが根底にあるのかなと感じることができた。
読了日:08月22日 著者:長谷川 晶一


スターリングラード(上)スターリングラード(上)
第二次世界大戦でドイツは東部戦線を拡大して当時のソビエト連邦に攻め行っていた。歴史では、非常に早い速度で南部ではウクライナを侵攻してカザフスタンに達しようとしていたし、北部はモスクワに接近していた。でも、現在進行形でこの状況を、すべての情報のない状態で何が起こっているのか、わかって行動することは難しい。奇襲を受けるスターリングラードの人々も、最初は何が起こっているのかわからなく、その時にどのように考え行動するのか、リアルな生き方がこの本のなかで進められていた。
読了日:08月20日 著者:ワシーリー・グロスマン


関白秀吉の九州一統関白秀吉の九州一統
信長から秀吉にかけての時代の、九州で起きた波乱の割拠を学術の視点、つまり文書からつらつら細かく当時に何が起こっていたのか解説している。有名な合戦も断片的にしか見ていないようで、前後の脈略やそのあとの仕置きなどは生々しい。そのなかで秀吉がどのように九州一統を目指したのか、国内の静謐、叡慮と言うような概念で納得をさせる人間的な感情の働きの存在で揺れ動いていた歴史の面白さを改めて感じることができた。
読了日:08月09日 著者:中野 等


ビジネスモデル for Teams 組織のためのビジネスモデル設計書ビジネスモデル for Teams 組織のためのビジネスモデル設計書
これから組織をまとめていかなければいけない人にとって、何をしたらいいのか良くまとめられている。考え方一つで機動的な組織に生まれ変わることも多いが、どのように考え方を作っていったらよいか、ワークをしながらテンプレートを埋めていく。この結構大変な作業になりそうでトレーニングが必要かもしれない。まるで図鑑のように眺めながら、構成の要点を染み込ませていくこともまずは大切と感じた。
読了日:08月04日 著者:ティム・クラーク,ブルース・ヘイゼン


恋愛はどこまで科学できるのか: 恋の不思議に迫る9つのアプローチ恋愛はどこまで科学できるのか: 恋の不思議に迫る9つのアプローチ
恋愛に関する心理学的な現象を科学的にどこまで解明されているかを、データとともに解説している。例えば、吊り橋効果は本当なのだろうか、男と女の恋愛の違い、さらに脳や遺伝子の関わりなど、少し難しかったけれども、噂話的なものとの区別がつけられて、おもしろかった。多くのことが状況的だったり、文化背景的なところの関与も大きいようで、科学的にはこのような心理的な傾向もあるのだなくらいの感覚なのかなという印象だった。
読了日:08月04日 著者:斉藤慎一

読書メーター

夢宇未生で新大阪モーニング

夢宇未生のモーニング。朝早くから開いていて、なによりおいしかった。

 大阪でも、新大阪のエリアに行く機会があり、特に朝早くモーニングをしたいということで、探したのが「夢宇未生*1」というお店でした。朝は6時30分から始めているということで、朝の食事難民になりかけたところでしたが、それ以上の満足感をいただきました。

 おみせの雰囲気はナチュラルで緑も多く落ち着きます。マスターもやさしく、丁寧にコーヒーとパンを焼いたおいしいモーニングをいただきました。コーヒーゼリーがなんとも好みでした。

 常連のお客さんも朝から集まってこられたり、ゆでたまごに振りかける塩の瓶にコーヒー豆を多く入れて湿気取りをしていたり、関西のモーニング文化を感じることが出来ました。

 また機会が有れば行ってみたい喫茶店でした。こんどは別のメニューも頼んでみたいです。よい旅になりました。

映画「幻の光」を観てきました

https://www.bunkamura.co.jp/data/files/cinema/2024/20240516/textimg2.jpg*1

 「幻の光(1995)」という1990年代の映画を、渋谷のBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下で上映していて、観てきました。能登の震災*2で失われた輪島が舞台ということでの支援を込めた開催ということでしたが、宮本輝原作で、是枝裕和監督のはじめての映画監督ということで大きなスクリーンでも見てみたいと思いました。

www.bunkamura.co.jp

 もともと宮本輝の小説は読むことが多かったのですが、小説の「幻の光」はあまり読んだことはなく、展開について新鮮でした。是枝監督の、日本映画をリスペクトしたようなとてもきれいな映像と、余分な説明の無い、それでいて感情を強く感じる、とてもよい映画らしい映画でした。

 リバイバル映画ということで、映画パンフレットも当時のデータがなく、コピーからの製本という断りをして販売されていました。また、「輪島の協力がなければ、映画は生まれなかった」*3というくらい、全員総動員で進められた当時の写真などが館内に展示されていて、地元の人々との強いつながりを感じました。

 四十六年前「幻の光」という小説を書くために吹雪の能登の海に沿った道を歩いた。そこからたくさんの心が生まれてきたのだ。

能登半島地震 輪島支援 特別上映 幻の光 | Bunkamura

<原作者・スタッフ・出演者からのコメント>――小説家 宮本輝

 今回の上映に向けたメッセージですが、相変わらずきれいな文章を宮本輝は書くな、と感心していました。また、俳優さんの若いころを見ることができ、またとてもきれいな映像からも感じることが多かったです。

 「幻の光」についての論評・解説・感想はいくつも挙げられています。

 是枝監督にとって、もっとやってみたいことは「だれも知らない(2004)」で実現した*4ようですが、とてもきれいな映像と俳優の静かなやりとりはとても心に残りました。

 映画の中に残される映像というものの価値の大きさを、情勢が変化している今に見ることによって、より深く感じることができました。時間というものは何なのかと考えてしまいました。

 

読書記録 2024年7月

 今回も様々な分野の本読みに挑戦してみています。もともと読むことは早くないのですが、これでも大分調子が乗って読めてきています。本の中で推奨している参考本まで手を伸ばしてみて、もう少し掘り下げたいところですはが、なかなか時間がとれません...

 

2024年7月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2417ページ
ナイス数:316ナイス

 

うんち学入門 生き物にとって「排泄物」とは何か (ブルーバックス 2106)うんち学入門 生き物にとって「排泄物」とは何か  (ブルーバックス 2106)
排泄物という意味でのうんちには、地球上に住む生物の進化の証しであり、仲間や他の生物たちとのコミュニケーションとして役に立ち、そして地球上の大きな物質循環としての大切な一部を担う、いろいろな役割があった。さらに、からだの調子がダイレクトに現れる場所でもあり、心の状態も反映する。ある生物のうんちは、別の生物にとってのよい栄養源になったり、グアノとして栄養豊富な地層になったり、今は水洗で流すだけのうんちの本当の姿を見ることができた。

読了日:07月24日 著者:増田 隆一


満州アヘンスクワッド(1) (ヤングマガジンコミックス)満州アヘンスクワッド(1) (ヤングマガジンコミックス)
満州国が作られたキナ臭い第二次世界大戦の前の時代、帝国主義の構造として現れていた階級層ではない人々の貧しさにフォーカスされている。統治している日本と、同じ日本だが酷使されている開拓民、そして統治をよく思わない現地の人々、これらが混じり合うなかで、幸せになる方法とはなんだろうか。そこにアヘンという欲望に満ちた麻薬が入り込む運命の展開が動き始めていた。興味を引く設定だった。

読了日:07月22日 著者:鹿子


推理小説作法-増補新版 (中公文庫 つ 35-1)推理小説作法-増補新版  (中公文庫 つ 35-1)
推理小説の組み立てにはどのような裏側があるのだろうか。小説とも違い、また探偵小説とも異なる推理小説に人間らしい心を入れる、作家によって異なる作業のなかで、大切にしていることが述べられていた。綿密なプロットは必要だし、流れるようなストーリーも大切な要素だか、読みやすい文章と今までとは違う視点を持っていこうという気概もまた技法に含まれてくるのではと感じた。乱歩も芭蕉も読んでみたいと思った。

読了日:07月19日 著者:土屋 隆夫


空白を満たしなさい(下) (講談社文庫 ひ 39-4)空白を満たしなさい(下)(講談社文庫 ひ 39-4)
上巻のミステリーからドラマになっていく。まるで余命の短い病人のように、死を意識することで生が浮かび上がってくる。繰り返しの出来ない地球の生物の宿命の中で、作者が構築している分人という考え方の中でよく生きることとはどのようなことか、改めて感じることができた。空白を満たしなさい、に込められる深められたやさしさがきらめいていた。でも、それのことをに気が付くまでには時間がかかり、気か付く頃には、いろいろなものを失い、年老いているかもしれないが...

読了日:07月14日 著者:平野 啓一郎


空白を満たしなさい(上) (講談社文庫 ひ 39-3)空白を満たしなさい(上) (講談社文庫 ひ 39-3)
タイトルに興味を持って読んでみたが、どんどんページが進んだ。本当だったら知っているはずの時間が失われて、どのことが本当なのかわからなくなる心理状態は、まるでミステリーとして、謎解きが必要なものであった。転生というSF的な設定の中に、人間の様々な、良いことも悪いことも盛り込まれた真実にたどり着くまでには、まだ時間がかかりそうだった。

読了日:07月10日 著者:平野 啓一郎


パフェ本パフェ本
茶店にパフェがあるとなんだか華やぐ。今回は季節限定のあるいは期間限定で作られたパフェたちのきらめきが並べられていた。パフェは、細長い容器で食べる順序がありストーリーがある儚い建造物というような表現も、著者のパフェへの気持ちを感じた。札幌発という〆パフェの概念も、飲み会の後に食べるパフェを想像しながら、楽しんでみたいなと思わせるパフェたちが並んでいた。

読了日:07月07日 著者:斧屋


構造主義生物学構造主義生物学
少し前の書籍になるが、生物の働きや成り立ちを考える上で、以前の考え方がどのように現在の考えに影響を与えているのか、大切な示唆になると考える。当時の構造主義という哲学を生物学に当てはめたというが、なかなか難しい。でも、遺伝子だけで成り立っているのではなく、社会的な事象を含み、物理学のようなきっちりした厳密な法則のみでないのは、我々の生物としての生活や行動がよく示しているのではと感じた。

読了日:07月06日 著者:柴谷 篤弘


カラー図説 生命の大進化40億年史 中生代編 恐竜の時代ーー誕生、繁栄、そして大量絶滅 (ブルーバックス)カラー図説 生命の大進化40億年史 中生代編 恐竜の時代ーー誕生、繁栄、そして大量絶滅 (ブルーバックス)
化石から進化をたどるシリーズの中生代について、相変わらず豊富な化石が提示されていて、おもしろかった。古生代ペルム紀の大絶滅から、三畳紀ジュラ紀白亜紀の温暖な爬虫類を中心とした大繁栄が起こっている。古生代のような奇妙な生物が生まれる進化ではなく、中生代は種の決まった構造からのマニアックな進化が化石にみられて、形も大きさも多様なある面平和な時代だったのかもしれない

読了日:07月06日 著者:土屋 健


行為主体性の進化:生物はいかに「意思」を獲得したのか行為主体性の進化:生物はいかに「意思」を獲得したのか
>少し難しい内容であったが、生物の進化と、生物における行動や行動を引き起こす仕組みについてのつながりが示されていて興味深かった。人間としての思い遣りや感情の階層は複雑ではあるけれども、進化の過程で積み重なってきた仕組みとして捉えることができた。行為主体性といういわば動物としての活動の意味合いを解きほぐしていくと、人間の不思議さを改めて感じることができた。

読了日:07月01日 著者:マイケル・トマセロ


読書メーター

読書記録 2024年6月

 本を読む時間が取れなかったのですが、読書を再開しています。少し難しい科学の本から、古典、そしてよく読まれている最近の小説まで、広く読んでみました。成瀬は評判通りおもしろく一気に読んでしまいました。最近の小説も読んでみたいところです。

2024年6月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:933ページ
ナイス数:195ナイス

成瀬は信じた道をいく成瀬は信じた道をいく
なかなか面白かった。先に続編を読んでしまったが、成瀬の展開がとても面白い。「出番順を決めるくじは、わたしが念じて最後のほうを引いた」や「うちの成瀬はすごいでしょ」のようなピンチを切り開く成瀬の様子やセリフに感動的なセンスを感じた。表紙の絵を始め成瀬と登場人物たちの世界にどっぷり浸かってしまった。

読了日:06月25日 著者:宮島 未奈


ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 (角川文庫)ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 (角川文庫)
前半は少しまったりとした現代らしい若い新人作家を取り巻く人間関係であったが、後半に進むにつれミステリー感が強まり、どんどんページが進んだ。最後の煌めきがとても印象的だった。近代文学の引用や例え話がストーリーを支えて、文学の博物館を見学しているようだった。真似をしてしまいたいと思うほどの綺麗な文体の元となる文中に出てきた小説たちを読んでみたいと思った。

読了日:06月22日 著者:松岡 圭祐


星の王子さま (新潮文庫)星の王子さま (新潮文庫)
大人になると頭が固くなり、特定の考えに固執してしまう。そんなおもしろさを感じない大人にはなりたくないとずっと思っていたのだけれど、大人の感覚に慣れてしまったのかもしれない。砂漠で王子さまと一緒に歩くかけがえのない、時空を越えた感覚を、最後の王子様がいなくなった風景の挿し絵と共に、いつか出会い感じることができたらどんなにうれしいだろうなと思ってしまった。

読了日:06月21日 著者:サン テグジュペリ


栗山ノート栗山ノート
以前から気になっていた本で、大谷翔平や清宮など個性的な選手をどのように育てていたのか、知りたいところでした。中国の古典の様々な言葉から、状況理解と本質を捉えようとしていて、ノートに記録されている具体的な状況を解説していてリアルだった。その中でも、選手の状態を常に把握して、成長させるためにはどうしたらいいか、チームは勝ち、野球を発展させる熱意と努力がやはり大切なものになってくると感じた。

読了日:06月13日 著者:栗山 英樹


読書メーター

読書記録 2024年3月

 今月は覆面アーティスト、バンクシーについていろいろと知りたくなり、読んでみました。多くの書籍が出ていておもしろいですね。ストリートアートの歴史や意義、そしてバンクシーの考えを知ることが出来ました。

 

2024年3月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1163ページ
ナイス数:262ナイス

 

グラフィック社 増補バンクシー ビジュアル・アーカイブグラフィック社 増補バンクシー ビジュアル・アーカイブ
バンクシーの時間的な行動履歴と作品をコンパクトにまとめた小さめの本。バンクシーが作品を残した場所が数年毎に地図になっており、世界情勢のどのようなところに視点を持っていたのか、わかりやすかった。失われている作品も多く、また環境に応じた即興性のある行動と展示として、いろいろなことを感じることができるものであった。

読了日:03月20日 著者:ザビエル・タピエス


覆面アーティスト バンクシーの正体覆面アーティスト バンクシーの正体
A4のムック本だが、代表作とバンクシーの主張がよくまとめられている。単なる落書きというには意図や主張が心を打ち、さらに落書きに位置付けられる表現の仕方は、それらへの扱いに対するその人の考えが反映してくるところがおもしろい。表面的ではなく深層的に。そこがバンクシーなのかもしれない。。

読了日:03月20日


多数派の専横を防ぐ 意思決定理論とEBPM多数派の専横を防ぐ 意思決定理論とEBPM
少し解りにくいタイトルだが、統計学と医学、経済学を使い、集団の行動や意思決定が実際の現象のなかでどのように動いているかを知ることができた。医学の場合はエビデンスからの判断のための方法論として、経済学は投票の方法で選択に影響を及ぼす理論を展開していて面白かった。結局は良い選択は、人の感覚やリテラシーに行き着くことになるところも人間くささがあり、興味深かった。

読了日:03月17日 著者:郡山 幸雄,宮木 幸一


BANKSYBANKSY
大きくバンクシーのグラフティーが掲載されていて迫力があった。それぞれ一つ一つに簡単だけれども、鋭い批評が付けられており、バンクシーの考えをフォローできた。バンクシーとわかったとたんに評価が良くなるような先入観の価値観や、アートは誰のものという実践もおもしろい。絵には込められている風刺がかならず存在し、少しおかしな社会のなかでも、日常に愛や希望、夢の欠片があることを見出だす大切さを感じた。

読了日:03月12日 著者:ジョン・ブランドラー,アレッサンドラ・マッタンザ


バンクシーを読む (TJMOOK)バンクシーを読む (TJMOOK)
バンクシーを知りたいと思い、バンクシー入門から解りやすく紹介しているムック本。ストリートの落書きが落書きでなくなっているのは、なんでなのだろうか?絵に込められたバンクシーの考えが徐々に解ってくると、弱く日陰の人たちへの想いやりが沁みてきた。反骨、皮肉を潜ませるみんなのものであるバンクシーの落書きが、街のなかにある本質を現している。

読了日:03月11日


プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方
物語を語ろうとも、伝え方が上手くいかないと只の長い話になってしまう。よくできたストーリーには、何かがあると感じているが、それらは何であろうか? テーマやモチーフや素材があり、それらが箱書きでいきいきとつながり、そして何かをしすぎる性格、憧れ性、共通性が、人物を色づかせる。きらめく登場人物は、困りや悩みのなかから成長する。そんな物語を書いてみたくなった。

読了日:03月03日 著者:新井 一樹


読書メーター

読書記録 2023年9月

 引き続き、興味のあるおもしろそうな本を読んでいます。

2023年9月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1392ページ
ナイス数:90ナイス

日本のビールは世界一うまい! ――酒場で語れる麦酒の話 (ちくま新書 1737)日本のビールは世界一うまい! ――酒場で語れる麦酒の話 (ちくま新書 1737)
何気なく食卓を賑わすビールに、こんなにも様々な歴史的な変遷があり、親たちが飲んでいたビールの銘柄にまで当時の世相が反映されていたことに、ノスタルジックを感じた。エールかラガーか、仕込み手法などでどんな味の違いがあったのか、試してみたくなった。一方、ビール会社の栄枯盛衰は激しく、研究や調査の輝きや、人情話もあり、そこに生きた人々の人間性がとても興味深かった。

読了日:09月21日 著者:永井 隆

東京の懐かしくて新しい暮らし 365日──巡りゆく日々の中で見つけたとびきりのお気に入りたち東京の懐かしくて新しい暮らし 365日──巡りゆく日々の中で見つけたとびきりのお気に入りたち
東京の見所を、365日形式でいろいろなジャンルの東京を紹介しており、行ったところもあるし、行ったことがない場所も訪れてみたくなる楽しい場所もまだまだたくさんあると教えてくれた。また、写真がとてもよく、エッセイの中のお話を十分表現していて、より訪れてみたい感が高まった。トピックス的に内容が散りばめられているので、今日は気分でどこに行こうかと楽しめる本だった。

読了日:09月14日 著者:東京散歩ぽ,中川よしこ,中川マナブ

時計遺伝子 からだの中の「時間」の正体 (ブルーバックス)時計遺伝子 からだの中の「時間」の正体 (ブルーバックス)
地球上ではほとんどの場所で昼と夜の一日があり、その一日にあわせて当たり前のように、昼と夜それぞれに合わせた生活が、地球上に住む生物の基本になっている。このような一日を感じるからだの中の仕組みとして、時間に合わせた発現をする遺伝子があるということだが、それらの発見のストーリーはやはりおもしろかった。お昼前に頭が冴えて、夕方に体がよく動くのか、からだの潜在的な仕組みに驚かされるばかりだった。

読了日:09月13日 著者:岡村 均

大人の教養 面白いほどわかる地理大人の教養 面白いほどわかる地理
地理というと、自然科学的な地球上での地勢の状況からの理解をはじめ意識していたが、人との関わりや人が生きていた歴史的な背景の流れで、今どのような生活の営みの特徴があるのか、考えていた地理を越えた実際に社会での問題点を広く知ることが出来た。人間が何気なく暮らしているこの土地での生活について、地理を知ることにより、背景となる自然の環境だけでなくその場所の特徴が大切となり、世界の様々な場所に想いを馳せつつも、今この場所で生きる未来の次元を広く知ることができた。

読了日:09月03日 著者:瀬川聡


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