映画「スパイの妻」を観ました

  以前録画してあった映画、スパイの妻(2020)を観ていました。

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太平洋戦争が始まる前の1930年代を舞台にした、少し暗いストーリー。神戸、貿易商、満州...というだけでもきな臭いものがありますが、そこに731部隊の存在が絡み、本当の正義を模索していきますが、それぞれの立場で意図は異なってきます。

実写映像も交えているのかな、インパクトとスリリングな展開として、終わりの引きずりも様々な想像がつき、実際は明確にしていないものの、信じることや生き方を考えさせられます。

何を考えているかわからない貿易会社社長の高橋一生、奔放な妻の蒼井優は、このような役とても当てはまります。

このような場面設定は、手塚治虫アドルフに告ぐ(1983)のような時代の暗さとその時代に生きる盲目な怖さを感じますが、現代の世界のとある場所ではこのようなことも起こっているのでしょうか。

 

読書記録 2022年4月

2022年 4月の読書記録です。

今月は慌ただしい中も、本を読むことを進めることができました。哲学、地理、SFと興味のあるところを読んでみました。どれもつながりのある本を読み進めたいですね。

4月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:942
ナイス数:86

記憶翻訳者 みなもとに還る (創元SF文庫)記憶翻訳者 みなもとに還る (創元SF文庫)感想
過剰共感能力を生かす記憶翻訳者のSFの設定は良く出来ていた。過去を遡る旅の四篇であったが、共感を越えた共感により自我を失ったとされた、過去へのアプローチは哀しいものがあった。みなもとに還ることのなかでの珊瑚は強かったし、優しかった。また別のストーリーも読んでみたい。
読了日:04月26日 著者:門田充宏


美しい3D地図でみる 東京スリバチ地形散歩 路地大冒険編 (新書y)美しい3D地図でみる 東京スリバチ地形散歩 路地大冒険編 (新書y)感想
身近になんでこんなに坂が多いのだろうと思っていたが、それらも、地球の歴史から比べたら割りと最近の近い地形変化が現れていて、散歩をするのが楽しくなりそう。地形を見ただけて、時代を遡ることが出来ることが、何かパラレルワールドを見ているようで、ここまで知ることが出来るのかと、とてもおもしろく読むことが出来た。
読了日:04月07日 著者:皆川 典久


自省録 (岩波文庫)自省録 (岩波文庫)感想
ローマ帝国が一番充実していた時期の皇帝マルクス・アウレーリウスの考えが伝わってくる。倫理が軸の思考と言われているけれども、死んでしまったら元素に帰るというような、今を生ききることの大切さを感じることが出来た。節制を持って善く生きること、邪推をしても仕方がない、などのキリスト以前のおおらかな人の生き方の示唆は、少し内容は難しかったけれども、大切な考えとして心に置いておきたいものであった。
読了日:04月07日 著者:マルクスアウレーリウス

読書メーター

読書記録 2022年3月

2022年 3月の読書記録です。

いよいよ「守り人」シリーズが完結しました。その後の短編集を含めて、余韻に浸ります。その後は、食、地学、哲学と幅広く気になるところを読んでみました。

3月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1443
ナイス数:126

「問い」から始まる哲学入門 (光文社新書)「問い」から始まる哲学入門 (光文社新書)感想
普段ならば気が付かないだろう存在や実在、私というものが、問いを通じて一欠片が見えてくるきっかけとなるかもしれないというとことであるが、なかなか実践は難しい。しかし、過去の哲学者の痕跡をたどることにより、問いから見えてくるものの一端を、きっと自分では気がつかない何かを感じていくことが大切なのではないかと感じている。
読了日:03月23日 著者:景山洋平


図解・天気予報入門 ゲリラ豪雨や巨大台風をどう予測するのか (ブルーバックス)図解・天気予報入門 ゲリラ豪雨や巨大台風をどう予測するのか (ブルーバックス) 感想
天気予報の仕組みを聞いても簡単すぎてよくわからなかったり、複雑すぎてこちらもよくわからなかったりするのだが、少し踏み込んだ仕組みを逃げずに丁寧に解説していて好感が持てた。天気予報を追究する熱い歴史から、ありとあらゆる法則や解析方法を駆使することで、今の当たる天気予報が生まれていることに凄さを感じた。
読了日:03月16日 著者:古川 武彦,大木 勇人


バニラな毎日バニラな毎日 感想
食べ物が好きなひとには悪いひとはいないというけれども、今回の本もデザート作りの奥深さに入り込むと、そこには人生が存在して、いつも何か良いものに導いてくれるような、そんな繋がりが出来てくると感じた。お節介でも頑固でも、そこにしっかりとしたものがあるからこそ、憎めないささやかな幸せが生まれてくるのかもしれない。
読了日:03月07日 著者:賀十 つばさ


流れ行く者: 守り人短編集 (新潮文庫)流れ行く者: 守り人短編集 (新潮文庫)感想
バルサやタンダがチャグムの年の頃を描いた、守り人シリーズのサブストーリーであったが、大人の世界を垣間見る、何か怒られるかもしれないような緊張や、子供の頃に感じた新鮮な感覚が共感できた。解説にあるように、かっこいい大人とはこういうものだよと、大人になった自分にも励まさられているような感覚にもなった。
読了日:03月05日 著者:上橋 菜穂子


天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫) 感想
何か上手くいったときに、ただただラッキーだったということでなく、もしかしたら誰かがとても頑張った結果だったのかもしれないと感じられるようになりたいと思った。何がこの世界で正しいか分からないけれども、天を感じとり地でやり抜くことで切り開く生き方の強さが心に染み渡った。
読了日:03月03日 著者:上橋 菜穂子

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読書記録 2022年2月

2022年2月の読書記録です。

村上春樹のねじまき鳥が完結、途中で止まっていた「守り人」シリーズの最終章へと進んでいます。やはりお話おもしろく、それぞれの世界にのめり込みました。

2月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1741
ナイス数:93

天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編 (新潮文庫)天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編 (新潮文庫)感想
いよいよ裏側にあった情勢が明らかになってきて、同じ国でも思惑の異なるそれぞれの勢力の繋がりを懸命に求めていく姿が人間らしく感じるものが多かった。あってほしい世界、ヒトを突き動かすもの、そしてナユグの変化...どこまで守ることが出来るだろうか。
読了日:02月28日 著者:上橋 菜穂子


天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)感想
巨大なものに呑み込まれる感覚、それに抗おうとする意思、自分の関与しないところでの関係性までもが、気持ちに揺さぶりを掛ける。今見えているものが全てではない世界をリアルに感じることこそ、今何をすべきなのかの答になるのかもしれない。
読了日:02月25日 著者:上橋 菜穂子


ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)感想
同時進行でストーリーが進むが、何が真実で何が事実か、極めて曖昧な中から感覚的に判断して行かなければならない。よい知らせは小さく語られるのでよく耳を澄まさなければいけないし、自分の経験してきたことを信じ、愛する人を守ろうとしていくことはやはり大切なものだと感じることが出来た。そして、アヒルのヒトを考えている時の幸せを感じ続けていたいと思った。
読了日:02月17日 著者:村上 春樹


ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)感想
時には何も起こらなかったり、時にはあらゆることが立て続けに起こったり、それらの中で本当の事や、大切な何かを見失ってないか、様々に存在する自分を見直すきっかけを感じて向き合えるかどうか、大切なことなのだと感じた。
読了日:02月04日 著者:村上 春樹

読書メーター

読書記録 2022年1月

2022年1月の読書記録です。

なかなか慌ただしく、今月は2冊の本のみとなりました。系統樹の本は分厚い本だったのですが、なかなか読み応えありました。もう一冊は、村上春樹の世界に入っていきました。

1月の読書メーター

読んだ本の数:2
読んだページ数:748
ナイス数:61

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)感想
自分と自分でないものについて、痛みと無感覚について、本当の現実の感覚は体験してみなければ、誰にでも解るものではないし、聞くことがなければ一生分からない。それが、告白や秘密というような形で現れてくるのが、クロニクルというものなのかもしれない。
読了日:01月28日 著者:村上 春樹


生命の〈系統樹〉はからみあう: ゲノムに刻まれたまったく新しい進化史生命の〈系統樹〉はからみあう: ゲノムに刻まれたまったく新しい進化史感想
本当にダーウィンが言っているような進化論だけで、現在の生物は成り立っているのか、もっと別のしくみを細菌のような微生物で見つけてきたカール・ウッズという研究者の生きざまは独特だけれど魅力があった。通説に負けずに反抗して追究していくことで作られたと思われる人間性もこの時代の研究者らしかった。
読了日:01月13日 著者:デイヴィッド クォメン

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読書記録 2021年12月

読書記録で使用している「読書メーター」での、2021年12月の読書記録です。

今回は環境と心理学の本を読んでみました。少し難しかったのですが、大切な概念を感じることが出来ました。

12月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:572
ナイス数:43

FOOTPRINTS(フットプリント) 未来から見た私たちの痕跡FOOTPRINTS(フットプリント) 未来から見た私たちの痕跡感想
後世の生物が地球の歴史を振り帰る時、今の時代をどのように見るのだろうか。今我々が住んでいるこの世界は地質学的にも特異に見られるような現象がたくさん起きていて、それは地球を状態を大きく変える変化を我々の知らない世界でもたらしている。今の生活を刻ませる痕跡を地球への大きな傷として残して、我々はどこに向かっているのだろう。
読了日:12月11日 著者:デイビッド・ファリアー

感情の哲学入門講義感情の哲学入門講義感想
講義形式で感情の中に含まれる様々なことを分解して繋げている。一方的に感情のしくみを決めつけるのではなく、ひとつひとつ反証も含めて、これが妥当なのではということを伝えていておもしろかった。心理学などの学問的な位置付けが捉えやすく、心を知るひとつの方法として活かせそうな感じがした。
読了日:12月04日 著者:源河 亨

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