今回も様々な分野の本読みに挑戦してみています。もともと読むことは早くないのですが、これでも大分調子が乗って読めてきています。本の中で推奨している参考本まで手を伸ばしてみて、もう少し掘り下げたいところですはが、なかなか時間がとれません...
2024年7月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2417ページ
ナイス数:316ナイス
うんち学入門 生き物にとって「排泄物」とは何か (ブルーバックス 2106)
排泄物という意味でのうんちには、地球上に住む生物の進化の証しであり、仲間や他の生物たちとのコミュニケーションとして役に立ち、そして地球上の大きな物質循環としての大切な一部を担う、いろいろな役割があった。さらに、からだの調子がダイレクトに現れる場所でもあり、心の状態も反映する。ある生物のうんちは、別の生物にとってのよい栄養源になったり、グアノとして栄養豊富な地層になったり、今は水洗で流すだけのうんちの本当の姿を見ることができた。
読了日:07月24日 著者:増田 隆一
満州アヘンスクワッド(1) (ヤングマガジンコミックス)
満州国が作られたキナ臭い第二次世界大戦の前の時代、帝国主義の構造として現れていた階級層ではない人々の貧しさにフォーカスされている。統治している日本と、同じ日本だが酷使されている開拓民、そして統治をよく思わない現地の人々、これらが混じり合うなかで、幸せになる方法とはなんだろうか。そこにアヘンという欲望に満ちた麻薬が入り込む運命の展開が動き始めていた。興味を引く設定だった。
読了日:07月22日 著者:鹿子
推理小説作法-増補新版 (中公文庫 つ 35-1)
推理小説の組み立てにはどのような裏側があるのだろうか。小説とも違い、また探偵小説とも異なる推理小説に人間らしい心を入れる、作家によって異なる作業のなかで、大切にしていることが述べられていた。綿密なプロットは必要だし、流れるようなストーリーも大切な要素だか、読みやすい文章と今までとは違う視点を持っていこうという気概もまた技法に含まれてくるのではと感じた。乱歩も芭蕉も読んでみたいと思った。
読了日:07月19日 著者:土屋 隆夫
空白を満たしなさい(下)(講談社文庫 ひ 39-4)
上巻のミステリーからドラマになっていく。まるで余命の短い病人のように、死を意識することで生が浮かび上がってくる。繰り返しの出来ない地球の生物の宿命の中で、作者が構築している分人という考え方の中でよく生きることとはどのようなことか、改めて感じることができた。空白を満たしなさい、に込められる深められたやさしさがきらめいていた。でも、それのことをに気が付くまでには時間がかかり、気か付く頃には、いろいろなものを失い、年老いているかもしれないが...
読了日:07月14日 著者:平野 啓一郎
空白を満たしなさい(上) (講談社文庫 ひ 39-3)
タイトルに興味を持って読んでみたが、どんどんページが進んだ。本当だったら知っているはずの時間が失われて、どのことが本当なのかわからなくなる心理状態は、まるでミステリーとして、謎解きが必要なものであった。転生というSF的な設定の中に、人間の様々な、良いことも悪いことも盛り込まれた真実にたどり着くまでには、まだ時間がかかりそうだった。
読了日:07月10日 著者:平野 啓一郎
パフェ本
喫茶店にパフェがあるとなんだか華やぐ。今回は季節限定のあるいは期間限定で作られたパフェたちのきらめきが並べられていた。パフェは、細長い容器で食べる順序がありストーリーがある儚い建造物というような表現も、著者のパフェへの気持ちを感じた。札幌発という〆パフェの概念も、飲み会の後に食べるパフェを想像しながら、楽しんでみたいなと思わせるパフェたちが並んでいた。
読了日:07月07日 著者:斧屋
構造主義生物学
少し前の書籍になるが、生物の働きや成り立ちを考える上で、以前の考え方がどのように現在の考えに影響を与えているのか、大切な示唆になると考える。当時の構造主義という哲学を生物学に当てはめたというが、なかなか難しい。でも、遺伝子だけで成り立っているのではなく、社会的な事象を含み、物理学のようなきっちりした厳密な法則のみでないのは、我々の生物としての生活や行動がよく示しているのではと感じた。
読了日:07月06日 著者:柴谷 篤弘
カラー図説 生命の大進化40億年史 中生代編 恐竜の時代ーー誕生、繁栄、そして大量絶滅 (ブルーバックス)
化石から進化をたどるシリーズの中生代について、相変わらず豊富な化石が提示されていて、おもしろかった。古生代ペルム紀の大絶滅から、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の温暖な爬虫類を中心とした大繁栄が起こっている。古生代のような奇妙な生物が生まれる進化ではなく、中生代は種の決まった構造からのマニアックな進化が化石にみられて、形も大きさも多様なある面平和な時代だったのかもしれない
読了日:07月06日 著者:土屋 健
行為主体性の進化:生物はいかに「意思」を獲得したのか
>少し難しい内容であったが、生物の進化と、生物における行動や行動を引き起こす仕組みについてのつながりが示されていて興味深かった。人間としての思い遣りや感情の階層は複雑ではあるけれども、進化の過程で積み重なってきた仕組みとして捉えることができた。行為主体性といういわば動物としての活動の意味合いを解きほぐしていくと、人間の不思議さを改めて感じることができた。
読了日:07月01日 著者:マイケル・トマセロ